鉄瓶の鑑定・査定・買取をお考えの方へ
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鉄瓶とは、茶の湯で使われる茶の湯釜に取っ手と注ぎ口をつけた湯沸かしの道具で、鋳物のことをいいます。
薬用としては飛鳥時代に似たような道具が使われていましたが、茶の湯や日常で湯沸かしに使う道具として普及したのは江戸時代中期から後期になってからのことです。
第二次世界大戦後にはお湯を沸かす道具としては軽いアルミニウム製のやかんが多く使われるようになりましたが、近年使い込むほどに風合いが増すことから鉄瓶に注目が集まっています。
特に鉄瓶の製造地として有名な産地は日本各地にあり、古い歴史を持つことから骨董品としての価値も高くなっています。
鉄瓶は略式の茶の湯で使われることも多いのですが、古いものだから全て高価買取の対象になるわけではありません。
ただし古い鉄瓶を持っている場合、一度専門家に鑑定してもらうことをおすすめします。
有名な鉄瓶の産地・ブランド
鉄瓶の鑑定をしてもらう際、重要な手がかりとなるのが鉄瓶の産地やブランドです。
よく耳にする産地の他にも、日本では関西などあちこちで鉄瓶が作られています。
そこで有名な鉄瓶の産地やブランドについて、その歴史を含め詳しくご紹介します。
南部鉄瓶(南部鉄器)
鉄瓶というとまず南部鉄瓶を思い浮かべる人も多いかもしれません。
南部鉄瓶には水沢と盛岡の2つの産地があり、昭和34年にこの2つが統一組織となり「岩手県南部鉄器共同組合連合会」となりました。
現在「南部鉄瓶」とは、この連合会に加盟する業者によって造られたもののことをいいます。
水沢の南部鉄器は、平安時代後期に藤原清衡が鋳物師を招いて始めた鋳物業が南下して羽田(現在の奥州市水沢羽田町)に伝わったとされています。
盛岡の南部鉄器は、盛岡藩(現在の岩手県中部から青森県東部にかけての地域)を治めていた南部氏が盛岡城を築城した際、その城下町で始まったとされています。
歴代藩主によって庇護された有坂家・鈴木家・藤田家・釜師小泉家の4家によって伝統が受け継がれました。
しかし太平洋戦争時に軍需品以外の鋳物の鋳造が禁止となってしまいます。
存続の危機に職人たちは政府に陳情し、16人の職人のみが鋳造を許されました。
存続の危機を何度も乗り越え、伝統的工芸品として日本だけでなく海外でも高く評価されています。
山形鉄瓶(山形鋳物)
山形鋳物の歴史は平安時代後期に遡ります。
山形地方で転戦していた源頼義に同行していた鋳物師が、この地の川の砂と土が鋳物に最適であることを発見し、鋳物造りを始めました。
その後山形の地を治める武将に仕えてきた鋳物師を、江戸時代に城下町を整備した最上義光が優遇し、銅町(現在の山形市銅町)に集めたことで山形は鋳物産地の一つとして発展します。
山形鋳物には鉄製のものと銅合金のものが造られています。
伝統的な技法として砂鋳型による「型挽き」や「紋様押し」などがあり、薄物で繊細な肌と美しい形が特徴です。
神仏具や日用品から始まった鋳物は、梵鐘や灯籠、鉄瓶や茶の湯窯といった日用品まで幅広く、茶の湯釜の多くは山形で造られています。
現在は山形鋳物工業団地に集団移転し「鋳物町」として伝統工芸品を造る職人が集まっています。
高岡鉄瓶(高岡銅器)
高岡銅器の歴史は、加賀藩(加賀・越中・能登の三国を治める)の前田利長が現在の富山県高岡市金屋町に7人の鋳物師を呼び寄せたことから始まりました。
高岡銅器は、生型鋳造法、双型鋳造法、蝋型鋳造法、焼型鋳造法の4つの技法によって造られていますが、中でも蝋型鋳造法による細かな紋様のある鉄瓶は、伝統工芸品として認定される貴重な技術により造られています。
蝋型鋳造技術は、全国的にも技術者が少ない現状にありますが、高岡ではその技術を引き継いで多くの作品が造り続けられています。
特に高岡鉄瓶は複雑で精緻な鋳造が特徴で、美術品として高い評価を受けています。
江戸鉄瓶
江戸鉄瓶は、江戸幕府を開いた徳川家康が、江戸城の城下町に諸国の一流の職人を集めたことに始まると考えられています。
現在の神田鍛冶町を中心に江戸鋳物は造られていましたが、戦後の経済発展と共に工芸鋳物を造る職人は減り、現在は唯一「江戸鉄瓶工房」で400年伝統を引き継ぐ江戸鉄瓶が造られています。
江戸鉄瓶は、手作り技法である焼型法という型を数回繰り返して使える技法で造られていますが、1つの鋳型は1回しか使わないのが大きな特徴です。
そのため、繊細な文様と薄い肌の鉄瓶を造ることが可能となっています。
鉄の固さを感じさせない柔らかい造形も魅力の一つとなっています。
天明鉄瓶(天明鋳物)
栃木県の南西部にある佐野市はかつて「天明」と呼ばれており、ここで造られている鋳物のことを天明鋳物といいます。
天慶3年(940年)に京都から赴任した藤原秀郷が、武具の製作のために河内国(現在の大阪)から鋳物師を連れてきて住まわせたことから天明鋳物の歴史が始まったと考えられています。
平安時代には茶道に使われる釜「天明釜」を、江戸時代には梵鐘や半鐘、灯籠、風呂釜や農具、茶の湯釜を御用鋳物師として一大組織を作り製造をしていました。
他の鋳物産地の発展と共に、天明鋳物は衰えていきましたが、現在も伝統的な技法を受け継ぐ鋳物師が鋳物を造り続けています。
天明鉄瓶の特徴は、全体的に簡素で深みのある色、そして独特の鉄砲口と呼ばれる注ぎ口です。
伝統の惣型(直接型を作り文様などを彫刻する)によって造られます。
鉄瓶を高価買取いたします。お気軽に鑑定をご相談下さい。
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高価買取される鉄瓶の特徴
家にある古い鉄瓶を、骨董品として買い取って欲しいと考えている方は少なくありません。
古来の製法で作られた鉄瓶は、古いものほど高値が付きます。
そこで買取の際にぜひ知っておいて欲しい高価買取してもらえる鉄瓶について詳しくご紹介します。
附属品が揃っているもの
鉄瓶自体に作家の銘が入っていることが多いのですが、作者が署名捺印をした共箱がある場合は本物の可能性が高くなります。
また鑑定書や説明書といった附属品があればそうでない場合より高く評価されます。
また茶人家元が鑑定して認定した書付箱や鑑定人が箱書きした識箱も、手がかりとなるため一緒に鑑定してもらうといいでしょう。
保管状態が良いもの
鉄瓶の鑑定時に特に注意したいのが、状態です。
どうしてもしまい込んだままだと、汚れやホコリが付着してしまうことも多く、サビやへこみなどが鑑定時に判明して買取価格に影響する可能性があります。
また高価買取の対象となる鉄瓶であっても、割れやカケがあったことで評価が下がってしまうこともあります。
手入れをしておくことはもちろん、保管状態にも注意が必要です。
専門家に鑑定・買取を依頼したもの
鉄瓶を高価買取してもらうためには、買取してくれる店選びも重要です。
鉄瓶の作家や銘などは鑑定の経験を豊富に持っている専門家でなければ見分けることができません。
また適正な価格を付けるためにも、市場での相場を熟知している必要があります。
かぐら堂ではキャリア10年~20年の専門スタッフが在籍していますので安心して鑑定をお願いできます。
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